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中国の経済成長が世界に与える影響
2009-09-16 19:57
  中国国家統計局は9月11日,今年1潤オ8月の主要経済データを発表し,中国経済の安定した回復の動きがより明確となった.また同日,大連で開幕した2009年夏季ダボス会議で「中国の経済成長の世界的影響」と題されたフォーラムが開かれ,中国経済に一層注目が集まった.

  中国経済の特徴と任務

  世界経済が後退する中で,2008年の中国のGDP成長率は8%を実現し,世界経済の成長に対する貢献率は20%を超えた.今年上半期の中国のGDP成長率は7.1%で,世界のほとんどの国が成長速度を落としマイナス成長となる国も多い中,中国に注目が集まるのも当然である.

  「アジアは今後10年の世界経済の成長において非常に重要な役割を果たし,中でも中国は重要な原動力の一つとなる.アジア開発銀行は,2040年までに世界4大主要経済体のうち3つがアジアの国となると予想している.その3つとは中国,インド,日本で,これらは世界の成長に大きく貢献することになろう」と,アジア開発銀行の趙暁宇副総裁は話す.

  趙暁宇副総裁の中国の経済成長の影響力に対する見解は,多くの人の意見を反映している.今回の夏季ダボス会議で発表されたアジアの新リーダーに関する世界規模の調査結果報告によると,調査対象者の70%が,2020年までに中国を主とするアジアは世界経済において最も影響力のある地域となると回答した.

  「中国の経済成長を通し,世界の資源需要は一定の水準を維持し,資源性製品の価格は値崩れしないだけでなく,安定した上昇を見せてきた.中国は多額の外貨準備を米国の金融市場に投下し,これにより世界その他の地域は金利安定を実現することができた.中国が国際金融危機の中で成長を維持することは,世界その他の地域の経済を支援することになる」と,清華大学中国経済研究センターの李稲葵副主任は述べる.

  バークレイズ・キャピタルのジョン・ヴァーリイ副総裁は,中国政府が打ち出した4兆元景気刺激案は中国自身の金融危機対策だけでなく,世界大国としての責任を担い,その他の国の危機対応においても非常に重要であると話す.
 
  中国の影響力発揮,他国にとってプラス

  近年の中国経済の急成長に伴い,中国とその他の国の経済・貿易協力も頻繁に行われるようになり,中国企業はグローバル化の道を歩み始めている.これに対し,一部の国は中国についてやや誤解しているようだ.発展途上国からの会議出席者は,今回のフォーラムで客観的な評価をしている.

  「全体的に,中国のアフリカへの影響力は高まっている.私たちは中国の影響力を目にし,この影響力はプラスとなると見ている」と,ナイジェリア中央銀行のアレイド副総裁は話す.中国とアフリカの間には相互利益の関係が成り立っており,中国はアフリカに投資し,アフリカは多くのものを中国に輸出している.

  アレイド副総裁のこの見方は,夏季ダボス会議で多くの参加者に支持された.多くの発展途上国は中国との経済協力から利益を得ている.中国は低価格で鉱物資源を獲得した投資家ではなく,中国の投資はこれらの国の発展を促進している.

  「中国経済の成長は私たちに多くの発展の機会を与えてくれた.過去5年間,モンゴルの平均成長率は6潤オ7%に達した.これは中国が過去数年,急速な成長を遂げたからである.特に大口商品の需要は急増し,これは私たちにとってはチャンスである」と,モンゴルのゾルグト鉱物資源・エネルギー大臣は述べる.

  国際金融危機の背景下で,中国は世界で最も活力のある経済体の一つとなり,世界500強入りする中国企業も増加している.中国は世界に多くの商品を輸出すると同時に,世界からますます多くの商品と技術を輸入するようになっている.

  李稲葵氏は,「中国経済の台頭は世界経済に影響を与えるだけでなく,世界に経済成長の新モデルを示し,中国とその他の国の経済の相互作用のモデルを示すことがさらに重要である」と評価する.

  中国がいつ米国に代わり世界一になるかは重要でない

  現在の中国の1人当たり所得は米国の10分の1である.しかし,中国経済の急成長に伴い,中国は米国に代わり世界一の消費大国になるとの見方もある.これについて,夏季ダボス会議に参加した代表は冷静を保っていた.

  「中国の贅沢品消費者は米国に接近あるいは上回る勢いだが,中国の1人当たり所得は米国の10分の1で,中国の消費能力は自動車が数台あるからと言って米国に追いつけるものではない.国の進化にはプロセスがあり,中国が米国に追いつくには相当の努力が必要である」と,中国の自動車ガラスメーカー最大手の福耀玻璃の曹徳旺会長は述べる.

  フォーラムに出席したモルガン・スタンレーのアジア会長であるスティーブン・ローチ氏は,10日夜に発表した新作『未来のアジア』の中で自らの見解を述べている.多くの人は経済をリードする力が西側から東方へと移動していると考えており,アジア世紀の到来の声が上がっている.しかし事はそんなに簡単ではない.

  中国経済がいつ米国を超えるかについて,ダボス会議で政治家と商業界トップ,専門家,学者は討論したが,明確な解答は得られなかった.趙暁宇氏は,「誰が誰を超えるか,いつ超えるかは重要でない.私たちは結果に注目するのでなく,これらのプロセスにもっと注目すべきである」と話す.

  「中国の経済成長モデルが均衡的になってこそ,中国は真の意味で世界の経済成長のけん引役となり,世界市場により多くの発展の機会をもたらすことができる.中国の急務は,投資・輸出志向型経済を消費志向型経済にいち早く転換することだ」と,スティーブン・ローチ氏は語る.

  李稲葵氏も同様の見方を示し,次のように述べた.国際金融危機により,中国が新たな経済成長の道を歩まなければならないことがはっきり示された.国内消費は中国の今後の成長の最も根本的な原動力となるだろう.中国は住民所得を引き上げ,消費需要を刺激すべきである.
 
 
「チャイナネット」 2009年9月16日

 
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